『ほったらかし投資術』を5年実践してわかった、本当に“ほったらかす”難しさ
『ほったらかし投資術』を読んで投資を始めて、気がつけば5年経ちました。 オルカンとS&P500を積立しつつ、新NISAも使い、振り返ると本書の通りにやってきたなと思います。 ただ、5年やってみてはじめてわかったことがあります。「ほったらかす」って、思っているより難しいんです。
この記事では、5年実践してみたサラリーマン目線で『ほったらかし投資術』を紹介します。これから投資を始める人に「最初に読むならこれ」と自信を持って薦めたい1冊です。
この記事の結論
- 『ほったらかし投資術』の答えは「オルカンを積み立てて、あとは何もしない」の1行
- 5年やってわかったのは、その"何もしない"が一番難しいということ
- これから始めるなら、月1,000円でも投信を1本買ってみるのが最初の一歩
投資に興味を持ったきっかけと、本との偶然の出会い
そもそも投資に関心を持ったきっかけは、会社の先輩でした。「インデックス投資」「株主優待」といった話を聞いているうちに気になってきて、「何か入門書を読んでみよう」という気分になっていきました。
そんなタイミングで偶然書店で目に留まったのが『ほったらかし投資術』。「ほったらかし」というタイトルの引きでそのまま手に取りました。
「投資の本って分厚くて難しそう」と思っていたのですが、実際はサイズも内容も驚くほどシンプル。新書1冊で完結する分量で、「結局これだけやればいい」が明確に書いてある。これなら読めるな、と思って読み始めました。

投資って難しそうで、ずっと「いつかちゃんと勉強しよう」で止まってたんですよね……。
『ほったらかし投資術』ってどんな本?
正式タイトルは 『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』(朝日新書、2022年)。著者は経済評論家の 山崎元さん と、個人投資家ブロガーの 水瀬ケンイチさん のお二人です。

この本のメッセージは1行で済む
ものすごく雑にまとめると、こうです。
生活防衛資金を確保したら、残りはオルカン(全世界株式インデックス)を毎月積み立てる。あとは、何もしない。
これだけです。
ポイントは 「リスク資産の置き場所を全世界株式インデックス(オルカン)1本に絞っていること」。あれこれ組み合わせず、オルカン1本で世界中に分散できる、というのが本書の結論です。全世界株式インデックスファンドの低コスト化が進んで、1本で世界中に分散できる時代になった、というのが背景にあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 全面改訂 第3版 ほったらかし投資術 |
| 著者 | 山崎元 / 水瀬ケンイチ |
| 出版 | 朝日新書(2022年3月) |
| ページ数 | 約240ページ |
| 価格 | 836円(税込) |
| 第3版の変更点 | リスク資産をオルカン1本に集約 |
山崎元さんが残してくれた本
少しだけ重い話を挟みます。著者の一人である山崎元さんは2024年1月に逝去されています。歯に衣着せぬ語り口でインデックス投資の合理性を発信し続けた方で、この本は山崎さんが残してくれた「初心者向け遺言」のような1冊でもあります。
「投資で誰が儲かっているか」を冷静に見抜く視点と、「シンプルに、安く、長く」を貫くスタイルは、今読んでも全く色褪せません。
5年やってわかった「本当の意味で“ほったらかす”」難しさ
ここからが本題です。
タイトルに「ほったらかし」と入っているくらいですから、本書の核は 「やることを決めたら、あとは何もするな」 という1点に尽きます。読んでいる時は「うんうん、シンプルだよね」と思うのですが——実際にやってみると、これがめちゃくちゃ難しい。

5年積立を続けてきて、自分が「ほったらかし」に失敗しそうになった瞬間は、大きく2つあります。
① 暴落のとき、つい証券口座を開いてしまう
相場が大きく下がると、頭ではわかっていても口座の評価額が気になって仕方なくなるんです。
「あと10%下がったらどうしよう」「いったん売って、底で買い直したほうがいいのでは」——本書が言う「やることはオルカンを買い続けるだけ」を頭で理解しているはずなのに、心がそっちに引っ張られます。これが本当の意味で「ほったらかし」ができなくなる第一の罠でした。
② SNSとニュースのノイズに振り回されそうになる
もう一つは情報の引力です。
「米国株オワコン論」「新NISAは◯◯がベスト」「今は買い時/待ち時」——SNSとYouTubeを開けば、毎日のように違う意見が流れてきます。一つ一つは説得力があるので、見ているうちに自分の方針がブレそうになる。
本書が繰り返し言っているのは、結局こういうことです。
やることを1つに決めて、情報を遮断して、淡々と続ける。
これが頭で理解する難しさではなく身体で実行する難しさだと、5年やってようやくわかってきました。

「ほったらかし」というのは”何もしないことを毎月選び続ける”という意味なんです。動かない判断こそ、いちばん難しい判断だったりします。
それでも本の通りに続けてきた|実際の運用の中身
「難しい難しい」と言いつつ、結局5年間続けてきました。中身はこんな感じです。

何を、どう買っているか
基本のスタイルは「ネット証券でインデックス投信を毎月自動で積立」。商品はこの2本です。
| 商品 | 役割 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | コアの資産。本書の推奨に沿った1本 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | サブで保有。米国比率を厚めに |
本書のメッセージに従うなら オルカン1本で十分 です。 ただ自分の場合は「オルカンだとアメリカの比率が60%前後だけど、もう少し米国を厚くしたい」という好みがあって、アレンジとして S&P500 も並行で買っています。ここは本書の教えから外した部分なので、初心者の方は素直にオルカン1本で大丈夫です。
NISA中心、でもNISA外でも買っている
積立はまず 新NISA(つみたて投資枠+成長投資枠) を最優先で埋めて、それでも積み立てたい分は特定口座でも買っています。あとはボーナス時のスポット買いも少しだけ。
ただスポット買いを混ぜると「タイミングを読む脳」が動き出して、本書が一番避けたい状態に近づきます。初心者の方にはまず純粋に積立だけから始めることを薦めます。
複利シミュレーター|月いくらで、何年後にいくらになる?
「ほったらかし」の効果は、結局のところ時間と複利です。文章で「複利はすごい」と言われてもピンとこないので、自分で数字を動かせるシミュレーターを置いておきます。
毎月の積立額と期間を決めて、運用パターンを切り替えてみてください。貯金とインデックス投資で増え方がどれだけ変わるか、グラフと金額がリアルタイムで動きます。
※毎月末に積立・月複利で運用したと仮定した試算です。手数料・税金・為替は考慮していません。「過去平均(年5%)」は『ほったらかし投資術』が基準にしている想定リターンです。全世界株式(MSCI ACWI・円ベース・配当込み)の過去20年実績は年率約9.8%(myINDEX・2026年4月末時点)ありますが、これは近年の円安で大きく押し上げられた数字です。そのまま将来に当てはめるのは危険なので、本書も保守的に年5%を前提に置いています。将来の運用成果を保証するものではありません。
これから投資を始める人へ|まずは投信を1本買ってみよう
ここまで読んで「自分でもできるかな?」と思った方に、伝えたいことが3つあります。
① 早く始めるほど”時間”が味方をしてくれる
インデックス投資は時間が一番のレバレッジです。月数千円でもいいので、早く始めた人ほど複利の恩恵を受けやすくなります。「もっと勉強してから」と先延ばしにしている間にも、相場は動いています。
② まずは投信を1本買ってみる
最初の一歩は本当に小さくて大丈夫です。ネット証券で口座を開いて、オルカンを月1,000円から積み立ててみる。それだけで十分なスタートです。
完璧に勉強してから始めようとしなくていいです。月1,000円なら、失敗しても勉強代として割に合います。動きながら学ぶくらいの感覚で、まず最初の一歩を踏み出してみてください。
③ 始めたら、原則「ほったらかし」
そして、これが一番大事。始めたあとはなるべく口座を見ないこと。
「儲かってる/損してる」を毎日チェックしても、長期インデックス投資ではほぼ意味がありません。むしろ見すぎると、本書が一番避けたい「余計な行動」を引き起こします。

「動かないこと」が一番のスキルって、最初は信じられないんですけど、5年やってみると本当にその通りでした。
書籍リンク
本書は新書サイズなので、手元に1冊置いておく価値ありです。気になったらサクッと買って、週末に読んでみてください。
よくある質問
Q. 投資ゼロの初心者でも読めますか?
読めます。新書1冊で完結する分量で、専門用語は最低限に絞られています。1〜2時間あれば通読できる手軽さです。
Q. 第3版と旧版で何が違いますか?
リスク資産の中身が 「全世界株式(オルカン)1本」に簡素化 されたのが最大の変更点です。旧版を持っている方も第3版を読み直す価値はあります。
Q. この本を読んだあと、まず何をすればいいですか?
3ステップで十分です。①ネット証券で口座開設→②新NISAで「オール・カントリー」の積立設定→③口座をなるべく見ない。これだけで本書の核は実行できます。
Q. 山崎元さんが亡くなったあと、内容は古くなっていませんか?
インデックス投資の基本原則は変わらないので、本書の中身は2026年時点でも十分通用します。むしろ、山崎さんの言葉がそのまま読める貴重な1冊になっています。
まとめ
5年積立を続けてきて、改めてわかったことを箇条書きでまとめます。
- 『ほったらかし投資術』のメッセージは1行:オルカンを積み立てて、何もしない
- 第3版はリスク資産をオルカン1本に集約しており、初心者には最高の入門書
- 本当に”ほったらかす”のは意外と難しい(暴落時の不安、SNSのノイズ)
- でも、その「動かない」を続けられた人が報われる設計になっている
- まずは月1,000円でも投信を1本買ってみる。動き出すのが何より大事
新NISAが始まって、投資のハードルは過去最低まで下がりました。 今すぐ大きな金額を入れる必要はありません。気負わず、最初の一歩を踏み出してみてください。

読んで終わりではなく、口座を開けて、1本買って、見ないこと。それが本書のいちばんの実践方法です。
気になることがあれば、Xでも感想聞かせてください。
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