GitHub とは何か

AI に大きく作り直してもらっても、前の状態に戻せます。それを支えているのが Git と GitHub で、名前は似ていても役割は別。読み終えると 2 つの違いを説明できて、AI に任せる範囲を広げられるようになります。

戻せると分かっていると、頼み方が変わります。

Git が「いつ、誰が、どこまで」を記録し、GitHub がその記録を PC の外に置く。 これが 2 つの役割分担です。

このサイトは、Claude Code と、もう 1 つの AI(OpenAI の Codex)に同時に触らせて作っています。片方が記事を書いているあいだ、もう片方が別のページを直している。記録が無ければ、あとから保存したほうが前の作業を黙って上書きします。同じファイルの同じ行を 2 人が直したとき、後勝ちで片方が消える、あの状態です。

Git は「ここまで」を記録する

Git は、ファイルを変えていく途中で「ここまでできた」と思える時点を記録します(Git ではこれをコミットと呼びます)。記録した時点のファイルの組み合わせが残るので、そのあとに大きく書き換えても、前の状態を見直したり戻したりできます。

大事なのは、ただ保存するのではなく、いつの状態を残したかが分かることです。フォルダを日付でコピーして _backup を作るのと違うのは、ここです。コピーは「そのとき全部がどうだったか」しか残りませんが、Git はどこを・なぜ変えたのかを 1 件ずつ積んでいきます(「なぜ」は、記録するときに一言そえて残します)。だから、あとから「この変更だけ取り消す」ができます。

AI に画面全体の作り直しを頼む前に記録を残しておけば、返ってきたものが合わなかったときも、直前の状態は消えていません。頼む前に身構えなくて済みます。大きく書き換えてもらって、結果を見てから採用するか決められる。

Git を入れているのは、事故に備えた保険としてではありません。戻せる前提が無ければ、2 つの AI に同時に触らせることを始めていない。 正直に書くと、私は「戻せて助かった」と感じた場面が、2026 年 9 月時点でまだありません——事故を経験していないからです。それでも、戻せると分かっているから任せられます。

GitHub はその記録を PC の外に置く

GitHub は、Git が残した記録を自分の PC の外に置く場所です。PC の中だけにある状態では、その PC を開けるときしか続きを見られません。

置くのはファイル 1 つずつではありません。プロジェクト 1 つ分のファイルと記録をまとめて置きます(このまとまりをリポジトリと呼びます。このサイトなら、記事もページも設定も全部で 1 つ)。だから自宅の PC からでも、外出先でスマホから頼むときでも、同じ続きから触れます。

ファイルを置くだけなら、クラウドの共有フォルダでもできます。違うのは、最新の 1 枚ではなく記録ごと置くことです。開いた側は、いまの中身だけでなく、どこまで進んでいたかも受け取れます。共有フォルダだと、同じファイルを 2 人が直したときに、どちらかを選ぶか、両方を別名で残すことになります。

分かれた作業を突き合わせて 1 本に戻すのも、私はここでやっています。

2 つの AI が同じリポジトリを同時に触れる理由

2 つの AI が同時に触れるのは、それぞれの作業を別々に保ったまま、あとで同じ記録に集められるからです(Git では、この分かれた線をブランチと呼びます)。

下の図が、その形です。2 本の線が別々に進んで、最後に 1 つへ合流します。

2 つの AI の作業が上下に分かれた線で並行して進み、それぞれに記録の点が残り、最後に 1 つの記録へ合流する図

線を分けるだけでは足りません。AI ごとに、作業するフォルダも分けています。 1 つのフォルダで開けるのは 1 本の線だけで、同じ線を 2 か所で同時に開くことは Git が禁止しているからです。

実際、Codex 側で進めた作業は codex/work(Codex 用に決めた線の名前です)に積まれ、あとから 1 本にまとめています。2026 年 9 月 11 日時点で 78 回。履歴にそのまま残っています。

合流の記録を、実際の履歴から 8 件 git log --merges(codex/work からの合流だけ)
2026-09-10  Merge pull request #334 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-09  Merge pull request #331 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-09  Merge pull request #329 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-08  Merge pull request #328 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-03  Merge pull request #321 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-02  Merge pull request #314 from kanalyzelab/codex/work
2026-09-01  Merge pull request #303 from kanalyzelab/codex/work
2026-08-31  Merge pull request #302 from kanalyzelab/codex/work

1 行が 1 回の合流です。日付が飛んでいるのは、合流しなかった日があるから——別々に進めている期間があって、区切りがついたところで 1 本に戻しています。

2 つの AI をどう使い分けているかは、Claude と Codex を VS Code で併用した記録にまとめています。

戻せるから、任せられる

持ち帰ってほしいのは 1 つだけです。Git が「どこまで」を記録し、GitHub がその記録を PC の外に置く。 名前が似ているだけで、やっていることは別です。

この 2 つが揃うと、頼み方が変わります。大きく作り直してもらってから、採用するかを決められる。 気に入らなければ記録した時点に戻せるので、頼む前に身構えなくて済みます。2 つの AI に同時に任せられるのも、同じ理由です。

記録を残して GitHub に届くまで、ファイルがどこを通るのかはGit はファイルをどこに置いているのかに書きました。

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